愛知県津島市の行政書士寺田勝事務所では、相続・遺言、会社設立、許認可申請など幅広くご対応しております。地域密着で親しみ易い事務所を目指しております。今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。
~法律に定める方式以外の遺言は無効です~
民法によれば、遺言は、この法律(民法)に定める方式に従わなければこれをすることができない。と規定されています。
つまり、民法の規定に従わない遺言書は有効とは認められないということです。
民法では普通方式の遺言として、以下の三つを規定しています。
自筆証書遺言 遺言者が、遺言内容の全文・日付・氏名を自分で
書いた上で押印します。これらが欠けたものは
無効となります。問題点としては、法律的に間違
いのない文章を作成することはなかなか困難な
ことですし、保管上の問題もあります。
遺言執行の際には家庭裁判所で「検認手続」を
しなければなりません。よく筆跡鑑定などで真実
性が争われているのが、この遺言書です。
秘密証書遺言 遺言者が署名・押印した遺言書を封書にして公証
人に提出します。この場合は自筆証書遺言と違
い、本文は自筆でなくても構いません。やはりこ
の方式の遺言書も、内容の正確さの問題や検認手
続の問題があります。
公正証書遺言 証人2人以上の立会いのもと、遺言の内容を公証
人に伝え、筆記してもらった上で読み聞かせても
らいます。その筆記に間違いがないことを確認し
たのちに署名・押印します。この方式の遺言書が
安心・安全で一番お勧めできるものです。
2020.5.26
以下のようなケースでは、遺言書作成を強くお勧めします。
(遺言書が無くては不可能な場合もあります)
法定相続分と異な 相続人それぞれの生活状況などに考慮した財産を
る配分をしたい していできます。
遺産の書類・ 遺産分割協議では、財産配分の割合では合意し
数量が多い ても、誰が何を取得するかについては(土地・株
式・預貯金・現金など色々な種類の財産がありま
す)なかなかまとまらないものです。遺言書で指
定しておけば紛争防止になります。
配偶者と兄 配偶者と義理の兄弟姉妹との協議はなかなか円
弟姉妹が相 満には進まないものです。遺言書を作成するこ
続人 とにより、全てを配偶者に相続させることができ
ます。
農家や 相続によって事業用資産が分散してしまっては、
個人事業主 経営が立ち行かなくなります。このような場合も
の場合 遺言書の作成が有効です。
相続人以外 内縁の配偶者、子の配偶者(息子の嫁など)
に財産を与 生前、特にお世話になった人や団体
えたい場合 公共団体などへの寄付
※遺言祖が
なければ不
可能と考え
ください。
その他遺言 先妻と後妻のそれぞれに子供がいる。
書を作成す 配偶者以外の者との間に子供がいる。(婚外子)
べき場合 相続人の中に行方不明者や浪費者がいる。
相続人同士の仲が悪い。
2020.5.25
(1)直系尊属だけが相続人である場合は被相続人の 1/3。
(2)その他の場合は被相続人の財産の 1/2。
<例>妻と子2人が相続人の場合、
妻の遺留分 : 1/2 × 1/2 = 1/4
子1人の遺留分 : 1/2 × 1/4 = 1/8
法廷相続人の例・遺留分の合計・相続人・法定相続分・遺留分
配偶者 配偶者 1/2 1/4
と 1/2
子供2人 子供 1/4ずつ 1/8ずつ
2020.5.24
(2)遺言者の財産のうち、一定の相続人に遺さなければならない割合を遺留分といいますが、遺留分の権利者 とその割合は次項のとおりです。
遺言者の権利者は、法廷相続人のうち子や孫などの直系卑属、父・母などの直系尊属と配偶者に限られて おり、兄弟姉妹には遺留分がありません。
例えば、遺言者が死亡、法廷相続人が妻と子二人で「遺産の全てを長男に与える」といった内容の遺言が あった場合、妻ともう一人の子には遺産がないということになります。
つまり、妻ともう一人の子の遺留分を侵害しているというわけです。
(3)遺留分を侵害されたらどうするか。
遺留分が侵害されていても、その相続人が遺言どおりの配分を了承するならば、特に問題はありません。
遺留分を侵害された人は、遺留分にもとづく減殺(げんさい)請求をする必要があります。ただし、1年以内 に主張しておかないと権利を失います。
遺留分減殺の請求権は、遺留分権利者が相続開始及び減殺すべき贈与または遺贈があったことを知った ときから、1年間行わないとき、または相続開始のときから10年を経過したときも時効によって消滅します。 (減殺請求・・・不足分を取り除すため請求すること)
2020.5.23
遺言による遺産の処分にも限界があります。
(1) 「遺留分」に注意する。
遺留分とは、遺言でも変えることができない、相続人が財産をもらうための最低限の割合です。
遺留分があるのは、配偶者、子、親のみ、兄弟姉妹にはありません。
これを侵害している場合は、侵害を受けた相続人からの請求によって返さなければなりません。(請求が無ければ返す必要はありません)
たとえば、「愛人に全財産を相続させる」という内容の遺言を作っても「遺留分権利者(配偶者、子、親)」が、その財産のうちそれぞれの遺留分に相当する財産を「減殺」する(とりもどす)ように求めれば、遺言のとおりになりません。」
これを「遺留分減殺請求権」の行使といいます。
自分の財産をどれくらい自由に処分できるかといいますと、遺留分の割合を差し引いた残りの部分ということになります。
2020.5.22